黒内障?白内障?

黒内障の名前の由来

ものが見えにくくなる病気に「白内障」があります。この病気の名前は、病気が進行すると「目(瞳孔)」が白く見えことに由来しています。「緑内障」という病気もありますね。それに対し、瞳孔が黒いまま目が見えなくなる状態は「黒内障」と呼ばれることがあります。

黒内障とは

 黒内障の症状

「 黒内障」の具体的な症状は、一時的に片目が「見えなくなった」、「真っ暗になった」というもので、しばらくするとまた見えるようになります。このような状態は、目の病気ではなく、首の太い血管(頸動脈)の狭窄を疑うべきであり、「一過性黒内障」と呼ばれます

高血圧や糖尿病、高脂血症など生活習慣病(昔でいう成人病)などの原因で動脈硬化が進行し、心臓と脳をつなぐ頸動脈(主に内頚動脈分岐部)が細くなることがあります。血圧の低下などの原因で脳への血流が減少したり、血の塊が脳のほうへ飛んでいき、目を栄養する血管の流れが悪くなると一時的に目が見えなくなります。

検査と治療

黒内障の検査

一過性黒内障が疑われた場合、まず行うべきは頚動脈のチェックです。具体的な検査としては頸部MRAまたはエコー、頭部MRI/MRAです。必要に応じてSPECTなどの脳血流検査も行われます。

なお、目を栄養する眼動脈は内頚動脈の枝ですが、顔面を栄養する外頚動脈からの血行が認められる場合があります。

黒内障の治療

一過性黒内障は一過性脳虚血発作(TIA)に分類される症状です。したがって、脳梗塞の発症を防ぐことを目的に、抗血小板剤や抗凝固剤の内服治療が行われます。頸動脈の狭窄の程度が強い場合、外科的手術(ステントや頚部内頚動脈内膜剥離術など)の適応となることもあります。

目の「動脈」の病気

一過性黒内障は頚部の動脈から目を栄養するの「動脈」の血の流れが妨げられて起こる病気です。

では、一過性黒内障以外に動脈の流れが悪くなる病気はどのようなものがあるでしょうか?

視野障害(見えにくい範囲)で分類してみます。

両眼とも片側が見えない
脳梗塞など

脳梗塞のような脳の病気を疑います。「ものを見る」という視覚は大脳の後ろの部分、後頭葉でつかさどられています。主に後大脳動脈の栄養する部分の脳梗塞で両眼の片側が見えない、「同名半盲」と呼ばれる症状がでます。実際には不完全な同名半盲であることが多いです。内頚動脈の枝の閉塞でも目の中心が見えにくくなることがあります。
発症からしばらく、脳梗塞が落ち着くまでの期間は視野障害はもっとも強く、慢性期にはやや改善して、安定することが多いようです。基本的に慢性期に視野障害が悪化することはありません。

詳細はこちらをご覧ください。

頭蓋内疾患による視野障害

片目の上側だけ、下側だけ見えにくい、ぼやける
虚血性視神経症(ION)

水平半盲と呼ばれる状態で動脈炎性、非動脈炎性の2タイプのうち、日本人に多いのは非動脈炎性前部虚血性視神経症( NAIONnon-arteritic AION )です。
AIONは中高年女性で側頭動脈炎に合併することが多いのに対し、NAIONは中年男性で動脈硬化などに起因すると考えられています。検査としてはMRI/MRAによる頚部~頭部の血管の評価、頭痛などの症状をともない、側頭動脈炎が疑われるう場合、 arteritic AIONここではAnterior-IONではなく動脈炎性前部虚血性視神経症のことを疑って採血による炎症のチェックが行われます。

実際には目の動脈は非常に細いので、MRAでは異常が見つからないこともよくありますし、目の血流を調べる(と、 される定量検査でなければ意義は少ないと思うのですが...)検査でも異常がわからないことが多いです。視野検査の結果から緑内障との区別が問題になることもあります。

片目だけぜんぜん見えない
網膜動脈閉塞症

目の網膜を栄養する血管が詰まってしまった、緊急の処置を要する状態です。すみやかに眼科を受診してください。