はじめに

最近「白内障」という言葉は雑誌やテレビなどで最近よく目にしたり耳にします。ご近所の方が手術を受けたり、という話を耳にされた方もいらっしゃるでしょう。いったいどんな病気なのでしょうか?

白内障ってどんな病気?

1. 白内障とは?

白内障は虹彩(瞳、くろめ)の後ろにある「眼のレンズ(水晶体)」が濁る病気です。老人性白内障は自覚症状の有無にかかわらず、60代になると年齢とともに少しずつ進行することが多いようです。

cat001

 

1.1. 見えにくくなる理由は?

加齢によりこの水晶体が濁ると白内障と呼ばれる状態になります。水晶体の濁りが邪魔をして、眼の奥に光が届きにくくなるため、「ものがぼやける」、「視力が低下する」などの症状が出現します。

対向車のライトがまぶしい、信号の光がまぶしくなった、という症状が白内障の典型的な症状です。

cat002

1.2. 白内障の治療は?

白内障は年齢とともに次第に進行します。

多少ぼやける、多少見えにくい程度の症状であれば白内障の初期の症状であり、この段階では、手術ではなく、目薬という選択肢もあります。
ただ、あくまでも「進行を抑える」点眼薬であり、「濁りがとれる」わけではありません。

白内障の根本的な治療は「水晶体再建術」しかありません

手術によって「白内障」という病気から解放され、今後、「白内障」で視力が落ちたり、見えにくくなることは無くなります。

1.3. 手術の時期はいつ頃がよい?

もし、かなり見えにくいのであれば手術を強くお勧めします。

しかし、まだ多少見えにくい程度であれば、患者さんの生活スタイルや年齢によって、今後の方針や手術を行うべき時期は相談の上、慎重に決める必要があります。

老眼で悩んでいる場合には白内障が軽度でも「多焦点眼内レンズ」で手術で見え方を改善するメリットは大きいでしょう。

後述しますが、白内障の手術後の「見え方」と、いままでの「見え方」は多少異なります。勧められるままに手術を受けるのではなく、これから受ける治療の内容と、その後の経過を十分ご理解いただき、納得の上で、手術を申し込んでいただくことが大切です。

白内障の手術について

2. 白内障手術の目的

「白内障」という病気は、「目のレンズ(水晶体)」が濁ってしまう光が目の奥まで届かなくなってしまった状態です。白内障手術は、「目のレンズ(水晶体)」の濁りをとって昔のように「光がきちんと目の奥に届く状態」にする手術です。

cat003

2.1. 麻酔、手術中の痛みについて

手術中に痛みを感じることはほとんどありません。

麻酔は主に点眼薬で行い、眼に注射の針を刺すことはありません。

麻酔薬のアレルギーのある方は事前に申し出てください。

2.2. 手術時間について

およそ10分から20分程度必要です。手術をはじめるまでの準備、回復室に戻るまでの時間をふくめると約30分程度と考えてください。

2.3. 手術の具体的な内容

白内障手術の方法 その1

白内障手術の方法 その2

白内障手術後の見え方について

3.0 手術後 眼帯をはずすと……

手術の翌日、外来で眼帯を外します。ほとんどの患者さんは「明るくなった」、「手術前よりも見えるようになった」と感じます。

ただ、この感覚は患者さんによってまちまちです。

白内障手術は、水晶体の濁りをとって昔のように「光がきちんと目の奥に届く状態」にする「だけ」の手術です。したがって、どこまで見えやすくなるか、もともとの目の状態に左右されます。眼の奥に白内障とは別の病気がある場合は視力が回復しないことも考えられます。

3.1 手術前に手術後の見え方をしっかりイメージしておくことの大切さ

手術前に「遠くが見えるようになりたい」と希望して眼内レンズを選んだ場合、遠くは見やすくなりますが、手元にはピントがあいません。見えるところは見えるが、見えないところは見えない、ということをしっかり理解しておく必要があります。ピントがあわないところを見るためにはメガネが必要であることを知っておいてください。

ピントの合いにくさはメガネで補いましょう

「視力があがる」=「見やすくなる」ではありません。視力検査の結果が良くなっても、ピントの合う位置がしっくりこないと見え方に不満を感じることもありますので、生活スタイルに合った眼鏡の処方が必要です。手術後1か月程度でどのような眼鏡が必要か相談させていただきます。

使用する眼内レンズの選択はとても繊細なため、手術前に想定していた「ピントの合う位置」と手術後の結果が微妙にずれることもあります。この場合も眼鏡で微調整をすることになります。

なお、当院では手術前の検査で条件を満たす場合は乱視矯正用の眼内レンズを選択することがあります。

手術後はメガネが必要です

手術後、しばらくして見えにくくなってきた場合は...

4. 後発白内障

白内障の手術後は、経過が良好であれば、手術後も視力(矯正視力)を維持できます。

例外的に、しばらくしてから、また白内障の手術前のように、ぼやけて見えにくい、視力が落ちることもあります。これは後発白内障と呼ばれる状態です。これは、手術で挿入した人工レンズと嚢(レンズが入っている袋)に濁りがたまった状態となったものです。 治療は外来で後発白内障切開を行います。これはレーザーで嚢に切開をいれ、濁りを吹き飛ばします。数分間で済み、痛みもありません。半日もすれば、手術後と同じように見えるようになります。しばらく虫が飛ぶ、飛蚊症と呼ばれる症状がでたり、眼内に炎症が起こることがあります。

もし、後発白内障に対するレーザー治療を受けても視力が回復しない場合は、目の奥(網膜)の病気が存在する可能性が高くなりますので、精密検査が必要です。

そのほかの白内障手術に関わる解説はこちらから

手術の申し込みから手術までの流れを知りたい

手術前後の生活について詳しく知りたい