アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎

眼が真っ赤になった。かゆくてメヤニが出たり、涙が出る、そんなときに疑うのはアレルギー結膜炎です。

アレルギー性結膜炎とは?

外部からの刺激に反応して、眼の表面の結膜と呼ばれる組織が充血した状態です。症状が強くなると、結膜と周囲の組織がむくんできます。

ちなみに「アレルギー」とは、外部からの入ってくる異物に対する、体の過剰な反応です。目の 結膜は直接外界と接しているので、様々な異物が飛び込んできます。眼の場合、「ハウスダスト」といわれるダニやカビ、動物の毛やフケ、花粉などが原因として一般的です。

特定の原因や季節によってアレルギー症状が強くなる状態を「花粉症」と呼びます。

 

アレルギー性結膜炎の症状

かゆみ、充血です。ただし、かゆみが強い割には白目の充血があまり強くない場合もよくあります。そのような場合、 まぶたの裏があれていることが多いようです。

一般的に症状が軽い場合にはメヤニはあまり気にならないことが多く、重症化するにつれ、白っぽいメヤニ、時に黄色いメヤニも増えてきます。アレルギー性結膜炎で目が潤むように感じるのは透明なメヤニがでるためです。実際には軽症であっても涙の中に細かい眼脂がふえていることがほとんどで、ゴロゴロしたり、異物感の原因になります。

なお、アレルギー性結膜炎は他人にはうつりません。

アレルギー性結膜炎

 

アレルギー性結膜炎の治療

治療の基本は以下の2つのタイプの点眼薬、

  1. 抗アレルギー薬・抗ヒスタミン剤の点眼薬
  2. ステロイド剤の点眼薬

です。抗アレルギー薬で効果が不十分な場合、ステロイド点眼薬を使用します。

治療の基本は、初期の段階では十分な効果を持つ強い薬で症状をしっかりたたいておき、その後、弱い薬で症状の出現を抑えることです。かゆみを我慢しながら効果の少ない弱い薬をだらだら使用しても症状が長期化するたけなのでお勧めしません。

ステロイド薬の「長期使用」には緑内障の原因となる眼圧上昇や白内障を誘発するなどの副作用があるため、経過観察をおこないながら使用します。

 

特に花粉症の場合は、抗アレルギー点眼薬をその時期の数週間前よりあらかじめ使用しておくと効果的と考えられています。花粉などアレルギーの原因を洗い流すような点眼薬を併用することもあります。

 

なお、当院では抗アレルギー剤の内服薬も用意してあります。

妊娠中の方でも比較的安全な薬剤、てんかんの既往のある児童でも安全な内服できる薬剤もありますので、ご相談ください。

 

コンタクトレンズに対するアレルギー

コンタクトレンズは目と角膜の間にレンズを入れる関係でレンズそのものの刺激が問題になることがあります。1dayのレンズが一番影響が少なく、2week、それ以上のレンズはレンズの厚さが厚くなるため、アレルギー性結膜炎が重症化する原因になります。

また、洗って翌日も使うタイプの2week以上のレンズは、汚れがレンズに残るため、レンズの装用がアレルギー性結膜炎を引き起こすことがあります。

「レンズを入れると片目だけゴロゴロする」

「片目のレンズがすぐにずれてしまう」

このような症状ではコンタクトレンズのアレルギーを疑います。また検査所見としては、下眼瞼にはほとんど所見がないこと、上眼瞼も眼瞼縁には所見が軽度で、レンズが当たるまぶたの真ん中付近の充血、浮腫がつよいことが挙げられます。コンタクトレンズの装用を中止しない限り、治療に難儀し、長期間にわたることが多いです。

コンタクトによるアレルギー性結膜炎

 

春季カタル

 

春季カタルは若青年者で時折みられる、重症のアレルギー性結膜炎です。上まぶたの裏側にぶつぶつとした「乳頭」ができ、重症例では巨大化して、ときに角膜の表面を傷つけることがあります。また、角膜近くの眼球結膜が発赤し、分厚くはれることがあります。

通常の治療で十分な効果が得られない場合、免疫抑制剤の点眼を行います。

 

春季カタル典型的な春季カタル

春季カタル輪部型の春季カタル